タンカン


 タンカン(Citrus tankan Hayata)は沖縄で栽培されている代表的なミカンの1つです。鹿児島の屋久島、奄美大島でも栽培されています。タンカンは中国、台湾の地域では、桶柑、年柑、蕉柑、潮州柑などと呼ばれています。桶柑は、"桶に入れられて売られた甘味のあるカンキツ"であること、年柑は"旧正月のころに熟し食味される"ことが名前の由来とされています。

 タンカンの原産地は中国の広東省とされていますが、発生の詳細は不明であります。タンカンの導入経路には諸説ありますが、ここではその1つを紹介します。タンカンは1800年頃に中国から台湾に導入された後、日本には1896年に導入されました。タンカンが沖縄に導入されたのは、日本への導入から30年近く経った1924年でした。

 沖縄で本格的にタンカンの栽培が始まったのは1970年頃とされています。それまでは、沖縄では「カーブチー、オートー」といった在来品種が主に栽培されていました。しかし、鹿児島県からT132という、果実が大きく、種子の少ない品種が導入されたことにより、タンカンは、収量が高く収益の増加が望める経済栽培品種として積極的に栽培されるようになりました。結果、カーブチーなどの栽培面積、生産量が減少することとなりました。このように、タンカンは、沖縄で何百年も前から栽培され、親しまれてきたシークヮーサーやカーブチーと比べると、「新しい沖縄のカンキツ」であるといえます。

 タンカンは、「酸味が少なく、甘味、食味が良好」とされる一方、「見た目はでこぼこで悪い、果皮は固いし剥きづらい」といわれています。しかし、皮がでこぼこで剥きづらいのは収穫後時間が経っているためです。特に美味しく皮も剥きやすいタンカンを食べるには「タンカン狩り」が一番です。沖縄本島北部のやんばるでは、毎年12~3月下旬にかけて多くの農園でタンカン狩りが開かれます。また、各種旅行会社などが、この時期に合わせタンカン狩りバスツアーを提供しています。タンカンの熟期は2~3月とされており、この時期に収穫したタンカンは、甘い果汁がギュッの果肉がギュッと詰まっており大変美味しいとされています。ですから、タンカン狩りは2~3月がおすすめです。タンカン狩りで収穫した"もぎたてのタンカン"はパンパンに張っているため皮が比較的薄く剥きやすいです。またもぎたてなのでみずみずしい甘いタンカンが味わえます。

 でも、やっぱり一番おいしいのは「もぎたてのタンカン」です。是非、沖縄のタンカン狩りにお越しください。(文・比嘉 育子)

 

基本情報

糖度:9.8%

酸度:0.9%

果皮色:橙 ※

果肉色:明橙-橙 ※

※日本園芸植物標準色票による

 

 

沖縄県産柑橘類の含有成分の分析-精油成分の分析-

タンカンとシークヮーサーの水蒸気蒸留法による精油の成分分析の比較 

タンカンの精油の主要成分は、温州みかんと同じくlimoneneが全体の約90%以上を占めています。このことがタンカンの最大の特徴であり、他の沖縄県産柑橘であるシークヮーサー、オートー、カーブチー、タロガヨとは香りの特性が大きく異なります。

 

沖縄県産柑橘類の含有成分の分析-精油成分以外の分析-

タンカンにおけるポリメトキシフラボン類、フラバノン類、シネフリンの含量

タンカンの特徴は、ヘプメトキシフラボンだけでなく、ノビレチンやタンゲレチンを多く含むことです。特に未熟果実においてノビレチンやタンゲレチン含量が高く、ポリメトキシフラボン類の抽出材料として適している事が分かります。