シークヮーサー

真夏の太陽が降り注ぐ8月、沖縄本島北部の山の斜面では、ピンポン玉ほどの濃い緑色の実の収穫が始まります。沖縄の食卓には欠かせなく、お土産としてもジュースやお菓子など、加工食品の原料にもなるこの実の正体はシークヮーサー(学名:Citrus depressa)です。ミカン科の柑橘類で、沖縄本島を中心に奄美大島や台湾などでも栽培されています。

 「シー」は"酸っぱい"、「クワーサー」は"食べさせる"という意味を持つシークヮーサーは「勝山クガニー」、「大宜味クガニー」など、200を超える種があると言われています。2009年には種なし品種であり「仲本シードレス」も誕生しました。一つの実の大きさは平均20~30g程度で、10月下旬頃から着色し始め12月上旬にかけて熟し、果皮は黄橙色に着色します。8月頃から 10月に薬味や酢の代用などの調理用として収穫が始まり、10月~12月はジュース原料などの加工用に、12月から2月にかけては酸の減少にともない 生食用として幅広く利用されます。

 また、シークヮーサーは代謝を活性化させ、疲労回復や美容に効果のあるビタミンCを多く含んでいるほか、ビタミンB1、カロチン、各種ミネラルなども含有するヘルシーな果物です。また、活性酸素を抑制する機能性化合物「フラボノイド」も多く含んでおり、代表的なものとして、抗アレルギー作用や発がん抑制作用を持つと言われるヘスペリジンや、発がん抑制、糖尿病予防の他、肝障害の抑制効果を持つノビレチンが注目されています。参考サイト:沖縄農業新聞/ 住 秀和(ブログ

基本情報

糖度:8.7%

酸度:1.0%

果皮色:鮮黄橙-黄橙 ※

果肉色:黄橙 ※

※日本園芸植物標準色票による

 

沖縄県産柑橘類の含有成分の分析-精油成分の分析-

シークヮーサーおよび市販レモンの果皮のコールドプレス精油における主要な25成分の成分組成の比較

 

シークヮーサーと市販レモンの果皮のコールドプレス精油における主要な25成分の成分組成を比較すると、両果実とも最も大きな成分組成比を示したのはlimoneneでしたが、レモンのほうが高い値を示しました。また、その他にもα-pinene、α-thujene、β-pinene、sabinene、γ-terpinene、p-cymene、terpinoleneといった多くのモノテルペン類において、組成比に大きな違いが認められました。一方、シークヮーサーでは抗腫瘍効果や抗肥満効果が期待されるセスキテルペン類の一つ、β-caryophylleneが高い値を示しました。さらに、フルーツ様で甘い香りをもつlinallolはシークヮーサー、フルーツ様で酸っぱい香りをもつgeranialはレモンで高い組成比を示し、それぞれの柑橘の香気特性を反映していると考えられました。

沖縄県産柑橘類の含有成分の分析-精油成分以外の分析-

シ―クヮーサーにおけるポリメトキシフラボン類、フラバノン類、シネフリンの含量

シ―クヮーサーの特徴は、ノビレチンを多く含み、ノビレチン対タンゲレチン比がほぼ2:1となることです。また、シネンセチンと合わせて3種類のポリメトキシフラボノイドを中心として構成されています。果実の熟化にしたがって、ポリメトキシフラボノイドの含有量が減少することわかっており、未熟果実の有効利用が重要と言えます。