オートー

 実はカンキツ類の宝庫でもある沖縄、その多々あるカンキツ類の中からオートーを紹介したいと思います。

 オートーとは原産、来歴ともに不明ですが今から280年前に漢方薬として中国から導入されたカンキツといわれています。まず、現在の沖縄市で栽培が始まり100年前に大宜味村に伝わり、そこからさらに現在の名護市を経由して、みかんの里である伊豆味地域に広まったとされています。オートーの名前の由来は、「青唐九年母(おうとうくにぶ)」とよばれていたものが略されて「青唐(おうとう)」になったといわれています。また、果皮の色から黄橙になったという説もあります。

 オートーの果実の大きさは80g前後です。これは、タンカンとおなじくらいの大きさで、イヨカンより小さめです。果皮がなめらかでむきやすく、熟すると果皮が橙色になります。成分としてクエン酸を多く含むので、甘いというよりはすっぱく感じる方も多いかもしれません。収穫時期は11月中旬から12月中旬に行われていますが、まだ酸が強いので熟期は1月以降といわれています。完熟果実は多汁で風味、食味ともに良く独特の香りがします。オートーだけでなくカーブチーやシークヮサーなど沖縄カンキツの独特の香りというのは、沖縄カンキツの特徴のひとつにあげられます。

 実はオートーは、昭和50年年代には生産量が約400tにまで達していましたが、現在は早生温州みかんやタンカンなどの栽培が盛んになり、栽培面積および生産量も減少してきています。しかし、早生温州みかんやタンカンなどの栽培が盛んになる前までは、在来カンキツであるオートーやカーブチーが沖縄県のカンキツ栽培の主流を占めていました。オートーがカンキツ栽培の主流を占めていたわけは、結実が安定しており生産性は高く、そのうえ病害虫に強い事から粗放栽培に耐え、生産費がかからないなどの理由があるとされています。身近にある樹木がオートーと気づいていないだけで、沖縄には昔からオートーが栽培されてきたのです。

 また、オートーだけでなく様々あるカンキツ類は、沖縄では種類の区別なくみかんとして親しまれてきました。昔から今現在に至るまで、沖縄ではカンキツ類が生活に密着しています。この機会にお庭に一本、オートーを植えてみてはいかがでしょうか。花の香りに癒され、泡盛やビールに果汁を搾り頂くだけでさわやかな気分になれる事間違いなしです。(文・嘉数奈々子)

基本情報

糖度:9.5%

酸度:1.1%

果皮色:鮮緑黄-濃黄黄 ※

果肉色:黄 ※

※日本園芸植物標準色票による

 

 

沖縄県産柑橘類の含有成分の分析-精油成分の分析-

オ―トーとシ―クヮーサーの水蒸気蒸留法による精油における成分の違い

limoneneはシ―クヮーサーより高い組成比を示したが、γ-terpineneの組成比も高く、モノテルペン類の組成比はシ―クヮーサーと類似していた。一方、木様の香気特性をもつthymolの組成比はオートーではタロガヨとシ―クヮーサーに比べて特徴的に高い値を示されています。これは、沖縄県産柑橘からの精油は種類によりヒーリング効果も異なることが示唆された。

 

沖縄県産柑橘類の含有成分の分析-精油成分以外の分析-

オートーにおけるポリメトキシフラボン類、フラバノン類、シネフリンの含量

オート-は、ヘプタメトキシフラボンを多く含む特徴を持っていますへプタメトキシフラボンは、抗ガン作用や抗炎症・抗酸化などの報告があり、これらの効果が見込めることができます。